弁護士の広告を見ていると「相談実績5万件」などと相談実績をアピールしてることがわかります。
私は2009年ごろに弁護士業界のネット集客のコンサルを開始しましたが、その当時「相談実績をアピールした方がよいですよ」とアドバイスすると、多くの弁護士は「そんなことをして何の意味がある」と懐疑的でした。
今ではホームページに相談実績を書いてアピールするのはセオリーになっています。
なぜ相談実績をアピールするのでしょうか?
それは消費者が弁護士を選ぶための情報・知識を持っていないからです。ですから最後は実績に頼るのです。
売れているお店は安心だろう、という消費者心理を利用しているのです。
このような売れているお店は安心だろう、行列のできているお店はおいしいだろうというような現象を「バンドワゴン効果」といいます。
この「バンドワゴン効果」は、特に弁護士のように消費者にとって選択するだけの情報がないような「情報の非対称性」が成り立つような状況では有効です。
ですから相談実績をアピールし消費者を安心させる手法はとても有効なのです。
さてここからさらに面白い話をします。
相談実績ならキャリアの長い弁護士が有利
相談実績は少ないよりはアピールできるだけの大きな数字はほしいです。
都合がよいことに相談実績は積みあがる数字で、年々増えることはあっても減ることはありません。
ですからキャリアが長い弁護士が有利で、キャリアが長ければそれだけ大きな数を表記することができます。
例えば年間200件相談を受けていて10年間のキャリアなら相談実績2000件以上と書けるのです。
いま2000件なんて少ないだろう、と思った方いませんか?
2000件が多いか少ないか消費者は判断できるでしょうか。
あなたが相続問題で2000件の相談実績は弁護士業界でも多い方で、当法律事務所は相続に強い法律事務所だと補足して説明すれば、消費者は納得してくれるのではないでしょうか。
そうするとキャリアの長い法律事務所が有利で、キャリアが短い弁護士が不利になると心配している方、安心してください。
キャリアが短くても相談実績を比較的早く集めることができます。
相談実績を早期に集める方法
相談実績を早く集めたいなら無料相談をすることです。
弁護士業界には「有料の相談だけを実績としてカウントする」というような相談実績に関する基準がありません。
医療業界の広告規制は厳しくなり、外科や内科はもちろんのこと広告関連では問題の多かった美容外科やインプラントなどの歯科医院でも、ほとんどの医院で治療の実績数をアピールできなくなりました。
その理由は、医療は個々の患者により症状が異なるので一緒くたにカウントしてはならない、治療の実績数をアピールする場合、その明確な根拠を示さなければならないとされているからです。
ですから医院のホームページに治療の実績数をアピールしている医院はほとんどなくなりました。
しかし弁護士業界には、無料相談、有料相談を別に記載しなければならないなどの相談実績に関する規制がありません。
ですから早期に相談実績を集めたければ、広告費をかけ無料相談することをお勧めします。
もっと早く相談実績を集める方法
もっと早く相談実績を集めたいのであれば、メールでの無料相談をすることもお勧めします。
今ならラインでの無料相談もいいかもしれません。
それも匿名の無料相談です。
先にも書きましたが、弁護士業界には相談実績の基準がありません。
匿名の相談でも相談は相談です。実績としてカウントしてはいけないという決まりはないはずです。
プロボノ活動のひとつとして匿名での相談も受けていたら、それでも相談実績になると思います。
匿名であれば消費者は相談しやすくなりますので、相談を集めやすくなります。
相談を集めるちょっとしたコツ
効率的に集めたいのであれば需要が多い業務、もしくはネットユーザーが飛びつきやすい事件などの相談を受け付けるとよいです。
例えば男女問題、ネット詐欺、著作権問題などです。
それにSNSを活用すればもっと拡散しやすくなります。
いずれにしましても早期に集めるにはいくらネットとはいえ、ある程度の広告費を覚悟する必要があります。
話を戻しますが相談実績は消費者に安心感を与えます。
今ではホームページに相談実績を書いてアピールするのはセオリーになっています。
相談実績も弁護士を選ぶひとつの尺度ですので、相談実績を表記することをお勧めします。
誤解されないために
このような記事を書くと、「消費者が知らないことをいいことに、相談実績でごまかしてお客を集めるなんてけしからん」と思われる方もいるかと思います。
誤解されないためにひとこと付け加えます。
私はまともなサービスも提供できないのに相談実績を大々的にアピールしてお客を集めるのはいかがなものかと思っています。
しかし、きちんとしたサービスが提供できるのであれば、堂々と相談実績をアピールして集客すべきだと思います。
ネットや広告で集客できるいま、きちんとしたサービスが提供できるのに広告が下手で集客に困っている弁護士が数多くいます。
やる気のある若手の弁護士は様々なサービスを開発し、様々な広告手法を使って集客に努めています。
つまりお客の方を向いて仕事をしているのです。
ただ、そのような弁護士の中には、十分なサービスが提供できないのに広告だけが先行している方も見受けられます。
しかし、きちんとしたサービスが提供できるのであれば、相談実績をアピールし集客することはごく普通のマーケティング活動だと思います。
それに、正しいサービスを提供できる弁護士が集客できる方が、広告だけが上手い弁護士が集客するより、消費者にとっては利益になると思います。
ですから、マーケティング手法は悪く使おうとすれば「悪者に魔法の杖を与えるようなもの」ですが、正しく使うのであればお客のためになると私は考えています。
その点は誤解なさらないでください。